育成就労制度の概要
第1節 育成就労法のポイント 育成就労法は、技能実習法の下で運用されてきた技能実習制度を抜本的に見直し、我が国の人手不足分野における人材育成及び人材確保を目的とすることを目指す新たな制度(育成就労制度)を創設するものです。育成就労制度の概要は次のとおりです。 第1 育成就労制度の目的 育成就労制度は、育成就労産業分野において、我が国での3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することを目的としています。
第2 基本方針・分野別運用方針 政府は、育成就労制度の適正な運用を図るため、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する基本方針を定めています。また、主務大臣(法務大臣及び厚生労働大臣をいう。以下同じ。)は、育成就労制度の適正な運用を図るため、育成就労産業分野の各分野を所管する行政機関の長並びに国家公安委員会、外務大臣と共同して、各分野における分野別運用方針をそれぞれ策定します。分野別運用方針において、育成就労産業分野が定められ、分野ごとの育成就労外国人の受入れ見込数が示されます。
第3 外国人育成就労機構 外国人育成就労機構(以下「機構」という。)は、育成就労法に基づき、後述する育成就労計画の認定、育成就労実施者の届出の受理、監理支援機関の許可申請の受理等を始め、育成就労実施者や監理支援機関に対する指導監督(実地検査・報告徴収)や、育成就労外国人からの申告・相談に応じ、必要な情報の提供や援助を行うなどの育成就労制度の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する業務を行います。
第4 育成就労計画の認定制 育成就労制度においても技能実習制度と同様に、育成就労を行わせようとする者(育成就労実施者)は、育成就労計画を作成(監理型育成就労の場合は、監理支援機関の指導に基づいて作成)し、事前に機構からその育成就労計画が適当である旨の認定を受ける必要があります。育成就労計画に記載しなければならない事項や申請の際の添付書類が、育成就労法及びその関連法令で規定されています。育成就労制度においては、一定の条件下で、育成就労実施者を変更すること(以下「転籍」という。)が認められているほか、育成就労計画の認定が取り消されるなどして育成就労の対象でなくなった外国人が新たに育成就労の対象となることなども認められているところ、このように育成就労実施者を変更するなどして新たに育成就労を行う場合にも、育成就労計画の作成等の手続が必要です。 なお、育成就労計画は、育成就労外国人ごとに、基本的に3年間の育成就労期間について作成し、機構から認定を受ける必要があります。 ただし、認定を受けた場合であっても、その後、認定の基準を満たさなくなった場合、認定を受けた育成就労計画のとおりに育成就労が行われていない場合等には、認定の取消しが行われることになりますので、常に法令の基準を満たして育成就労を適正に行わせる必要があります。 育成就労計画の認定申請は、機構の地方事務所・支所の認定課に行います。
第5 育成就労実施者の届出制 育成就労制度においても技能実習制度と同様に、育成就労法及びその関連法令において、育成就労実施者は、育成就労実施者となって初めて育成就労を行わせたときには、その開始後遅滞なく届け出なければならないこととされています(第4章第11節参照)。 この届出は、機構の地方事務所・支所の認定課に行います。
第6 監理支援機関の許可制 育成就労制度において、監理支援事業を行おうとする者は、主務大臣から監理支援事業の許可を受けなければならないこととされ、監理支援機関として満たさなければならない要件等が、育成就労法及びその関連法令で規定されています。 ただし、許可を受けた場合であっても、その後、許可の要件等を満たさなくなった場合には、監理支援事業の全部又は一部の停止や、監理支援事業の許可の取消しが行われることになりますので、常に法令等の要件等を満たして監理支援事業を適正に行う必要があります。 なお、技能実習制度において監理団体の許可を受けていた団体が育成就労制度下で監理支援事業を行う場合には、別途、監理支援事業の許可を受けなければ監理支援事業を行うことはできません(育成就労法の施行日以後に監理支援事業の許可を受けた場合は、技能実習法に基づく一般監理事業の許可を受けたものとみなされ、監理団体として活動することも可能です(改正法附則第 13))。 この許可申請は、機構本部事務所の審査課に行います。最終的な許否の判断は主務大臣が行います。
第7 育成就労外国人の保護 育成就労法では、育成就労外国人の保護のため、育成就労の強制、違約金設定、旅券又は在留カードの保管等に対する禁止規定を定めているほか、これに違反した場合の罰則に関する規定を定めています。 また、育成就労実施者又は監理支援機関の法令違反があった場合に、育成就労外国人が当該事実を出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に通報・申告することができることとしているほか、育成就労外国人からの相談に応じる体制を整備しています。 さらに、人権侵害行為を受けた育成就労外国人が引き続き育成就労を継続することができるよう、機構において転籍を支援する体制も整備することとしています。
第8 二国間取決めに基づく送出国による送出機関の認定
1 送出機関の定義 「外国の送出機関」は、監理型育成就労外国人になろうとする者からの監理型育成就労に係る求職の申込みを本邦の監理支援機関に取り次ぐ者をいい、実際に監理支援機関に取り次ぐ送出機関を「取次送出機関」といいます。 なお、「外国の準備機関」とは、育成就労外国人になろうとする者の外国における準備に関与する外国の機関をいい、例えば、外国で育成就労外国人になろうとする者が所属していた会社等が含まれます。当該機関が取次送出機関である場合には、外国の準備機関には該当しません。
2 送出機関の適正化 育成就労外国人の選抜には、現地の事情に精通している送出機関が重要な役割を担っていますが、その一方で、これまでの技能実習制度では、技能実習生本人やその家族から高額な手数料等を徴収するなどの悪質な送出機関の存在が指摘されてきたところです。 このような状況を受け、育成就労制度では、育成就労計画の認定基準として、取次ぎを受けた外国人が送出機関に支払う費用の上限を設けるほか、育成就労法及びその関連法令に規定する送出機関の要件を厳格化するなど、送出機関に対する規制強化を図っています。
3 二国間取決めに基づく送出国による送出機関の認定 外国にその事業所が所在する送出機関については、日本側のみでは当該送出機関が適切であるのかどうかを網羅的に確認することが困難となり得ます。 そこで、我が国政府と送出国政府との間で二国間取決めを順次作成することとし、各送出国政府において自国の送出機関の適格性を個別に審査し、適正なもののみを認定する仕組みを構築することとしています。なお、認定された送出機関については、機構のホームページに国ごとに掲載することとしています。
