技能実習制度

技能実習制度

技能実習制度は、我が国で開発され培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、その開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とする制度であり、これまでは「出入国管理及び難民認定法」(昭和 26 年政令第 319 号。以下「入管法」という。)とその省令を根拠法令として実施されてきたものですが、平成28年の技能実習制度の見直しに伴い、新たに技能実習法とその関連法令が制定され、入管法令で規定されていた多くの部分が、この技能実習法令で規定されることになりました。
ただし、制度の趣旨は以前と変わりがなく、その趣旨をより徹底するために、基本理念として「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」(法第3条第2項)と明記されています。なお、技能実習生は労働者として、日本人労働者と同様に労働関係法令の適用を受け、保護されています。


旧制度においては、法務省令で技能実習計画書の作成、提出を規定しており、監理団体が技能実習計画を作成し、個々の技能実習生の在留資格認定証明書交付申請等の手続の中で、地方入国管理局が確認していましたが、技能実習計画としての認定を行っているものではありませんでした。
現行制度においてはこれを改め、技能実習を行わせようとする者(実習実施者)は、技能実習計画を作成し、その技能実習計画が適当である旨の認定を受けることとされ、技能実習計画に記載しなければならない事項や申請の際の添付書類が、技能実習法及びその関連法令で規定されています。
ただし、認定を受けた場合であっても、その後、認定の基準を満たさなくなった場合や、認定計画のとおりに技能実習が行われていない場合等には、実習認定の取消しが行われることになりますので、常に法令等の基準を満たして技能実習を適正に行わせる必要があります。また、技能実習計画は、技能実習生ごとに、第1号、第2号及び第3号の区分を設けて認定を受けることとされており、特に第3号技能実習計画に関しては、実習実施者が、「技能等の修得等をさせる能力につき高い水準を満たすものとして主務省令で定める基準に適合していること」(法第9条第10号)が認定の基準となります。第2号技能実習及び第3号技能実習を行うためには移行対象職種・作業であることが必要です。
なお、複数職種・作業による技能実習、複数法人による技能実習が可能となっています。
認定申請は、機構の地方事務所・支所の認定課に行います。


旧制度においては、実習実施機関に求められる事項等を法務省令で規定しており、個々の技能実習生の在留資格認定証明書交付申請等の手続の中で、地方入国管理局が確認していましたが、実習実施機関として届出を行うことは求められていませんでした。
現行制度においてはこれを改め、技能実習法により、実習実施者が技能実習を開始したときには、遅滞なく届け出なければならないこととされました。この届出は、機構の地方事務所・支所の認定課に行います。


現行制度では、技能実習生の保護のため、技能実習の強制、違約金設定、旅券又は在留カードの保管等に対する禁止規定を法律に定めるほか、これに違反した場合の罰則に関する規定を定めています。
また、実習実施者又は監理団体の法令違反があった場合に、技能実習生が当該事実を出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に通報・申告することができることとし、技能実習生からの相談に応じる体制を整備しています。
さらに、人権侵害行為を受けた技能実習生が引き続き技能実習を継続することができるよう、機構において転籍を支援する体制も整備することとしています。


団体監理型技能実習を行う場合は、監理団体の実習監理を受ける必要があり、監理団体が監理事業の許可を得ている必要があります(参照:本節第1 監理団体の許可の流れ)。技能実習の実施に必要な手続の流れ(第1号技能実習から第3号技能実習まで在留を継続したまま技能実習を行わせる場合)は次表のとおりです。
※ 新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、別途通知を発出している場合があります。手続等を行う前に適宜、機構の HP をご参照ください。
機構 HP:https://www.otit.go.jp/CoV2/
※ 技能検定等の受検ができないために在留期間の満了日までに次段階の技能実習へ移行できない場合は、技能実習生の住居地を管轄する地方出入国在留管理局にご相談ください。