育成就労制度

育成就労制度

育成就労制度は、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本邦において就労を通じて修得させることが相当な分野(以下「育成就労産業分野」という。)に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有する人材を育成するとともに、育成就労産業分野における人材を確保することを目的とし創設された制度です。 我が国では、これまで「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(改正法による改正前の平成28年法律第89号。以下「技能実習法」という。)に基づき、技能移転による国際貢献を目的とする技能実習制度が運用されてきましたが、同制度においては、様々な課題が指摘されていました。他方で、我が国において、人手不足への対応の1つとして外国人材の受入れも欠かせない状況にある中、我が国の深刻な人手不足に対応するため、平成31年に特定技能制度の運用が開始されました。 こうした中、改正法が成立し、技能実習法は、「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律」(改正法による改正後の平成 28 年法律第89 号。以下「法」又は「育成就労法」という。)に改められました。これにより、技能実習制度は発展的に解消され、特定技能制度との連続性を有し、外国人の人権を適切に保護しつつ、外国人が我が国でキャリアアップできる分かりやすい制度として育成就労制度が創設されました。  
※情報提供者:外国人技能実習機構より
https://www.otit.go.jp/upload/docs/%E2%98%85%E5%85%A8%E4%BD%93%E7%89%88.pdf


 第1節 育成就労法のポイント 育成就労法は、技能実習法の下で運用されてきた技能実習制度を抜本的に見直し、我が国の人手不足分野における人材育成及び人材確保を目的とすることを目指す新たな制度(育成就労制度)を創設するものです。育成就労制度の概要は次のとおりです。 第1 育成就労制度の目的 育成就労制度は、育成就労産業分野において、我が国での3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することを目的としています。
 第2 基本方針・分野別運用方針 政府は、育成就労制度の適正な運用を図るため、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する基本方針を定めています。また、主務大臣(法務大臣及び厚生労働大臣をいう。以下同じ。)は、育成就労制度の適正な運用を図るため、育成就労産業分野の各分野を所管する行政機関の長並びに国家公安委員会、外務大臣と共同して、各分野における分野別運用方針をそれぞれ策定します。分野別運用方針において、育成就労産業分野が定められ、分野ごとの育成就労外国人の受入れ見込数が示されます。
 第3 外国人育成就労機構 外国人育成就労機構(以下「機構」という。)は、育成就労法に基づき、後述する育成就労計画の認定、育成就労実施者の届出の受理、監理支援機関の許可申請の受理等を始め、育成就労実施者や監理支援機関に対する指導監督(実地検査・報告徴収)や、育成就労外国人からの申告・相談に応じ、必要な情報の提供や援助を行うなどの育成就労制度の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する業務を行います。
 第4 育成就労計画の認定制 育成就労制度においても技能実習制度と同様に、育成就労を行わせようとする者(育成就労実施者)は、育成就労計画を作成(監理型育成就労の場合は、監理支援機関の指導に基づいて作成)し、事前に機構からその育成就労計画が適当である旨の認定を受ける必要があります。育成就労計画に記載しなければならない事項や申請の際の添付書類が、育成就労法及びその関連法令で規定されています。育成就労制度においては、一定の条件下で、育成就労実施者を変更すること(以下「転籍」という。)が認められているほか、育成就労計画の認定が取り消されるなどして育成就労の対象でなくなった外国人が新たに育成就労の対象となることなども認められているところ、このように育成就労実施者を変更するなどして新たに育成就労を行う場合にも、育成就労計画の作成等の手続が必要です。 なお、育成就労計画は、育成就労外国人ごとに、基本的に3年間の育成就労期間について作成し、機構から認定を受ける必要があります。 ただし、認定を受けた場合であっても、その後、認定の基準を満たさなくなった場合、認定を受けた育成就労計画のとおりに育成就労が行われていない場合等には、認定の取消しが行われることになりますので、常に法令の基準を満たして育成就労を適正に行わせる必要があります。 育成就労計画の認定申請は、機構の地方事務所・支所の認定課に行います。
 第5 育成就労実施者の届出制 育成就労制度においても技能実習制度と同様に、育成就労法及びその関連法令において、育成就労実施者は、育成就労実施者となって初めて育成就労を行わせたときには、その開始後遅滞なく届け出なければならないこととされています(第4章第11節参照)。 この届出は、機構の地方事務所・支所の認定課に行います。
  第6 監理支援機関の許可制 育成就労制度において、監理支援事業を行おうとする者は、主務大臣から監理支援事業の許可を受けなければならないこととされ、監理支援機関として満たさなければならない要件等が、育成就労法及びその関連法令で規定されています。 ただし、許可を受けた場合であっても、その後、許可の要件等を満たさなくなった場合には、監理支援事業の全部又は一部の停止や、監理支援事業の許可の取消しが行われることになりますので、常に法令等の要件等を満たして監理支援事業を適正に行う必要があります。 なお、技能実習制度において監理団体の許可を受けていた団体が育成就労制度下で監理支援事業を行う場合には、別途、監理支援事業の許可を受けなければ監理支援事業を行うことはできません(育成就労法の施行日以後に監理支援事業の許可を受けた場合は、技能実習法に基づく一般監理事業の許可を受けたものとみなされ、監理団体として活動することも可能です(改正法附則第 13))。 この許可申請は、機構本部事務所の審査課に行います。最終的な許否の判断は主務大臣が行います。
 第7 育成就労外国人の保護 育成就労法では、育成就労外国人の保護のため、育成就労の強制、違約金設定、旅券又は在留カードの保管等に対する禁止規定を定めているほか、これに違反した場合の罰則に関する規定を定めています。 また、育成就労実施者又は監理支援機関の法令違反があった場合に、育成就労外国人が当該事実を出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に通報・申告することができることとしているほか、育成就労外国人からの相談に応じる体制を整備しています。 さらに、人権侵害行為を受けた育成就労外国人が引き続き育成就労を継続することができるよう、機構において転籍を支援する体制も整備することとしています。
 第8 二国間取決めに基づく送出国による送出機関の認定
1 送出機関の定義 「外国の送出機関」は、監理型育成就労外国人になろうとする者からの監理型育成就労に係る求職の申込みを本邦の監理支援機関に取り次ぐ者をいい、実際に監理支援機関に取り次ぐ送出機関を「取次送出機関」といいます。 なお、「外国の準備機関」とは、育成就労外国人になろうとする者の外国における準備に関与する外国の機関をいい、例えば、外国で育成就労外国人になろうとする者が所属していた会社等が含まれます。当該機関が取次送出機関である場合には、外国の準備機関には該当しません。
2 送出機関の適正化 育成就労外国人の選抜には、現地の事情に精通している送出機関が重要な役割を担っていますが、その一方で、これまでの技能実習制度では、技能実習生本人やその家族から高額な手数料等を徴収するなどの悪質な送出機関の存在が指摘されてきたところです。 このような状況を受け、育成就労制度では、育成就労計画の認定基準として、取次ぎを受けた外国人が送出機関に支払う費用の上限を設けるほか、育成就労法及びその関連法令に規定する送出機関の要件を厳格化するなど、送出機関に対する規制強化を図っています。
3 二国間取決めに基づく送出国による送出機関の認定 外国にその事業所が所在する送出機関については、日本側のみでは当該送出機関が適切であるのかどうかを網羅的に確認することが困難となり得ます。 そこで、我が国政府と送出国政府との間で二国間取決めを順次作成することとし、各送出国政府において自国の送出機関の適格性を個別に審査し、適正なもののみを認定する仕組みを構築することとしています。なお、認定された送出機関については、機構のホームページに国ごとに掲載することとしています。


 ① 育成就労計画の認定申請 育成就労計画の認定申請は、育成就労開始予定日の6か月前から可能です。また、原則として、開始予定日の4か月前までに申請を行うことが必要です。育成就労計画の認定申請は、機構地方事務所・支所の認定課で受け付けます(機構地方事務所・支所への郵送による方法、又は機構地方事務所・支所窓口への持参による方法で申請を受け付けます。なお、郵送の場合は、申請書類が機構に到着した日が申請日となります。)。 申請は、定められた様式によって行う必要があり、記載内容を確認するための添付書類等の提出も同時に必要となります。 ※ 育成就労開始予定日の4か月前を過ぎてからの申請は、育成就労の開始が開始予定日を超過してしまう可能性がありますので、余裕をもったスケジュールで申請を行ってください。
 ② 育成就労計画の審査・認定 申請された育成就労計画については、育成就労法及びその関連法令に基づく基準に照らして審査が行われます。
  ③ 認定通知書の交付 認定の決定がされた場合は、機構から育成就労計画の認定通知書が交付されます。不認定の決定がされた場合も同様に通知書が交付されます。なお、交付を受けた育成就労計画の認定通知書に記載されている事項は、その後の各種申請や届出、育成就労外国人の転籍に係る手続等に必要となります。したがって当該通知書は育成就労実施者において確実に保管しておくとともに、当該通知書の写し及び育成就労計画の写しを育成就労外国人及び監理支援機関に交付するようにしてください。 (注) 育成就労外国人が入国するためには、地方出入国在留管理局から在留資格認定証明書の交付を受けなければなりません。育成就労計画の認定通知書は地方出入国在留管理局への在留資格認定証明書交付申請に必要な書類となります。以下④・⑤は、地方出入国在留管理局における手続です。
  ④ 在留資格認定証明書の交付申請 監理支援機関は、育成就労計画の認定通知書等を添付書類として、地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書の交付申請を行います。具体的な手続や方法については、出入国在留管理庁のホームページに公表予定です。
 ⑤ 在留資格認定証明書の交付 地方出入国在留管理局から在留資格認定証明書の交付を受けた監理支援機関は、育成就労外国人に対して交付を受けた在留資格認定証明書を送付します。育成就労外国人は、在外日本国公館において査証(ビザ)を取得し、空海港における入国審査の際に在留資格認定証明書を提示することにより、在留資格「育成就労」により入国することが可能となります。
 ⑥ 認定後の報告、届出事項等 育成就労実施者は、育成就労計画の認定を受け、育成就労外国人を受け入れた後も、育成就労法で定められた報告、届出の手続を、定められた様式に従って行う必要があります。その手続は次表のとおりです。 ※ 育成就労制度においては、他の在留資格から「育成就労」の在留資格への在留資格変更も認められる場合があります。その場合は、現に有している在留期間内に機構から育成就労計画の認定を受け、同通知書等を添付書類として地方出入国在留管理局に在留資格変更許可申請を行う必要があります。なお、育成就労計画の認定を受けていることをもって「育成就労」への在留資格の変更が許可されることが保証されるものではなく、外国人のこれまでの在留活動の状況や在留資格「育成就労」での在留の必要性等を考慮した上で、在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当な理由があるときに限り許可されます。


育成就労は、技能の適正な修得のために整備され、かつ、育成就労外国人が育成就労に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行わなければなりません。そのため、育成就労外国人ごとに作成する育成就労計画は、育成就労の目標や内容、修得した技能・日本語能力の評価、育成就労を行わせる体制、育成就労外国人の待遇等に関する基準を全て満たしている必要があり、育成就労実施者は、関係法令を遵守し、認定を受けた育成就労計画に従って育成就労を行わせる責務があります。 〈育成就労計画の認定〉
 ○ 育成就労実施者は、受け入れようとする育成就労外国人ごとに育成就労計画を作成(監理型育成就労の場合には、監理支援機関の指導に基づいて作成)し、機構から認定を受ける必要があります(法第8条及び第12条)。この育成就労計画の認定申請は、法第9条第1項(場合によっては同条第2項、法第9条の2又は法第9条の3)の認定基準を満たすことを証明する添付資料等を添えて、機構の地方事務所・支所の認定課に申請しなければなりません。
 ○ 育成就労制度は、我が国での3年間の就労を通じて「特定技能1号」の在留資格において求められる水準の技能を有する人材を育成するとともに、我が国の人手不足分野における人材を確保する制度です。そのため、育成就労制度による外国人の受入れは人材の確保を図るべき特定産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本邦における3年間の就労を通じて修得させることが相当である分野(育成就労産業分野)に限られます。
  ○ このほか、育成就労外国人や育成就労実施者にも満たさなければならない基準があり、育成就労の実施に関する契約等の内容や、入国後講習の実施内容及び実施方法、育成就労を行わせる体制・事業所の設備、育成就労外国人の待遇や受け入れられる人数等の基準等に適合しているものでなければなりません。
 ○ 育成就労制度の適正な運用のため、育成就労計画の認定に当たっては、育成就労実施者の欠格事由が設けられています(法第10条)。
 ○ 育成就労計画の認定は、育成就労計画が認定基準等に照らして適当であるか否かを確認する事実行為であり、認定自体による法的効果は存在しません(処分に該当するものではありません。)。
〈育成就労計画の変更〉
 ○ 育成就労実施者は、認定を受けた育成就労計画を変更する場合には、変更する内容によって、育成就労計画の変更認定又は軽微変更の届出の手続が必要です(法第11 条)。なお、育成就労外国人が転籍する場合は、新たな育成就労計画の認定を受ける必要があります(法第8条の5第1項、法第9条の2)。 〈育成就労を継続できなくなった場合〉
 ○ 育成就労の実施が困難になった場合には、育成就労実施者(単独型育成就労の場合)又は監理支援機関(監理型育成就労の場合)は、遅滞なく育成就労実施者の住所地を管轄する機構の地方事務所・支所の認定課に対し育成就労の実施が困難となった旨の届出をしなければなりません(法第19条及び第33条)。
  ○ 育成就労実施者及び監理支援機関は、上記の届出をしようとする場合等において、育成就労外国人が引き続き育成就労を行うことを希望するときは、転籍に向けた他の育成就労実施者や監理支援機関との連絡調整等の必要な措置を講じなければなりません(法第51条第1項)。 〈育成就労実施者の責務〉
 ○ 育成就労実施者は、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護について育成就労を行わせる者としての責任を自覚し、育成就労外国人が育成就労に専念できるよう環境の整備に努めるとともに、育成就労計画に従って育成就労を行わせなければなりません。
  ○ 育成就労外国人は、労働者として、日本人労働者と同様に労働に関する法令の適用を受け、保護されています。 労働に関する法令には、 ・ 労働基準法(昭和22年法律第49号) ・ 最低賃金法(昭和34年法律第137号) ・ 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号) ・ 妊娠・出産等による不利益取扱いを禁止している「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(昭和47年法律第113号。以下「男女雇用機会均等法」という。) ・ 同一労働同一賃金を定めた「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(平成5年法律第76号。以下「パートタイム・有期雇用労働法」という。) ・ ハラスメント防止対策を義務付ける「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(昭和 41 年法律第 132 号。以下「労働施策総合推進法」という。) 等が含まれており、これらは全て育成就労外国人も対象となることに注意してください。 〈育成就労の実施〉
 ○ 育成就労実施者は、初めて育成就労外国人を受け入れて育成就労を行わせた際には、遅滞なく機構の地方事務所・支所の認定課に対し育成就労実施の届出をしなければなりません(法第17条)。
 ○ 育成就労実施者は、育成就労に関する帳簿書類を作成し、事業所に備えて置かなければなりません(法第20条)。
 ○ 育成就労実施者は、毎年1回、4月1日から5月31日までに、直近の育成就労事業年度(4月1日に始まり翌年3月31日に終わる育成就労に関する事業年度)に係る実施状況報告を機構の地方事務所・支所の認定課に提出しなければなりません(法第21 条)。 〈報告徴収、行政処分等〉
  ○ 育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護のため、機構が育成就労実施者に対して行う実地検査等のほか、主務大臣の職員による報告徴収等の権限も規定されています(法第13条及び第14条)。
 ○ さらに、育成就労計画の認定後においても、育成就労実施者が育成就労計画に従って育成就労を行わせていないと認めるときや出入国・労働関係法令に違反しているときなど、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護のために必要があると認められるときは、出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣が改善命令を行うことができることとされています(法第15条)。 また、出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣は、育成就労実施者が育成就労計画に従って育成就労を行わせていないと認めるとき、出入国・労働関係法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき、改善命令に違反したときなどにおいて育成就労計画の認定を取り消すことができます(法第16条)。 ※ 育成就労法の施行後早期に育成就労を開始することを希望する実施者のために、施行日(令和9年4月1日)の前から育成就労計画の認定申請(以下「施行日前申請」という。)を受け付けます。施行日前申請においては、審査に要する時間等を考慮し、原則として育成就労開始予定日の7か月前から5か月前までに申請を行ってください。


○ 育成就労計画は、
・ 法第8条第1項の申請(最初の育成就労計画の場合)
・ 法第8条の5第1項の申請(転籍の場合)
・ 法第8条の6第1項の申請(育成就労計画の認定取消しや育成就労の在留資格を有する者でなくなった後に再度の育成就労を開始する場合) によるものに分けられます。ここに記載するものは、法第8条第1項の申請(最初の育成就労計画の場合)による育成就労計画の認定基準となります。
○ この育成就労計画の認定基準としては、法第9条(育成就労計画の認定基準)及びその関係規則に、
・ 育成就労外国人に従事させる業務に要する技能の分野
・ 育成就労の目標や内容
・ 育成就労を行わせる体制や事業所の設備 に関する基準などが設けられ(通常の場合の認定基準は法第9条第1項、労働者派遣等監理型育成就労の場合の認定基準は同条第2項に規定)、これらの基準を全て満たす場合に育成就労計画が認定されます。また、育成就労実施者は、認定後も常に法令の基準を満たして育成就労を適正に行わせる必要があります。
○ 育成就労実施者には、認定された育成就労計画に従ってその終期まで育成就労を継続する責任がありますが、育成就労実施者の都合で育成就労の継続が困難になった場合には、法第51条に定められているとおり、育成就労実施者又は監理支援機関において、育成就労の継続を希望する育成就労外国人に対し円滑な転籍の支援を図ることといった育成就労の継続のための措置を講ずることなど(第5章第 16 節第1参照)が義務付けられています。
○ 育成就労制度は、我が国での3年間の就労を通じて「特定技能1号」の在留資格において求められる水準の技能を有する人材を育成するとともに、我が国の人手不足分野における人材を確保することを目的とする制度です。
○ そのため、育成就労制度による外国人の受入れは、人材の確保を図るべき特定産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を我が国における3年間の就労を通じて修得させることが相当である分野(育成就労産業分野)に限られます。
○ 育成就労産業分野は、法第7条の2第1項に基づき、主務大臣が分野所管行政機関の長並びに国家公安委員会及び外務大臣と共同して定める分野別運用方針において定めることとしています。
○ 育成就労計画には、育成就労が終了したときに到達すべき技能及び日本語の能力の水準を育成就労の目標として定めなければなりません。
○ 設定する目標は、基本的に以下のとおりです。なお、目標とする試験は、育成就労外国人を受け入れる分野及び業務区分に応じて、分野別運用方針に定められた試験・水準である必要がありますので、目標とする試験を定める際は、必ず分野別運用方針を確認してください。 〈技能に係る育成就労の目標(①から③のいずれか)〉
 ①  修得させる技能に係る3級の技能検定の合格
 ②  修得させる技能に係る3級の技能検定に相当する育成就労評価試験の合格
 ③ 修得させる技能に係る特定技能1号評価試験の合格(※) ※ 規則第 13 条は、「3級の技能検定」又は「育成就労評価試験」と規定しているところ、分野・業務区分によっては特定技能1号評価試験も当該規定にいう「育成就労評価試験」に該当し得るものです。 〈日本語能力に係る育成就労の目標〉 本邦での生活に必要な日本語能力及び従事させる業務に必要な日本語能力の試験等による方法での証明
○ 技能に係る目標とする試験については、実技試験の受験及び合格を求めておりますが、学科試験の受験は任意です(育成就労開始から1年目が終了するまでに受験することとなる技能試験は、実技試験及び学科試験の受験を求めています(育成就労開始から1年目が終了するまでに受験することとなる技能試験については第5参照))。
○ 育成就労の目標となる日本語能力である「本邦での生活に必要な日本語能力及び従事させる業務に必要な日本語能力」とは、原則として日本語教育の参照枠の A2相当水準であり、育成就労の終了までに試験の合格によってその能力を確認することとなります。また、この水準は、修得しようとする育成就労産業分野ごとに分野別運用方針において設定されるため、A2相当より高い日本語能力の水準が設定されている育成就労産業分野においては、その水準を満たす必要があります。
○ 育成就労制度は、「特定技能1号」の在留資格において求められる水準の技能を有する人材を育成するとともに、育成就労産業分野における人材を確保することを目的とする制度であり、育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能の修得が効果的に行われるよう、育成就労外国人に従事させる業務において要する技能は、分野別運用方針に規定する業務区分(※)に属する技能である必要があるほか、当該技能が同一の作業の反復のみによって修得ができる技能ではないことが求められます。 ※ 育成就労産業分野ごとに、必要とされる技能の範囲を画するものです。そのため、分野内に複数の区分を有する分野もあれば、単一区分の分野もあります。
○ 「同一の作業の反復のみによって修得することができる」技能とは、同じ作業を繰り返し行い、特段のレベルアップが期待できない作業に従事することで修得することができるものをいいます。必ずしも作業が一つであることを意味するものではなく、同種の業務に係る一連の作業を行うことを反復する場合であって、単に手足等を動かすことのみで修得することができるものも含みます。
○ 具体的にどのような業務や作業が育成就労産業分野の業務区分に属しているかについては、当該分野に係る分野別運用方針で規定されます。
○ 個別具体的に申請があった場合において、業務の性質や就労環境等に照らし、従事させる業務が外国人に育成就労として行わせることが適当でないと認められるものではないことについて、確認する規定です。
○ 育成就労外国人に従事させる業務が、育成就労産業分野に属する技能を要するものであったとしても、当該業務の性質や就労環境等に照らし、育成就労を行わせることが適当でない場合は、育成就労を行わせることは認められず、育成就労計画の認定を受けることができません。 適当とは認められない例として、
・ 外食分野における、お酌など来店客に対する接待行為に従事するものや、キャバクラ、ラウンジ、ガールズバー等の風俗営業店での就労活動
・ 宿泊分野における、ラブホテルでの就労活動
・ 建設分野における、除染作業に従事する活動 などが該当します。 〈規則第13条第2項第2号ロ〉 (事業所に備えられた技能修得に必要な素材等を用いた通常行われる業務であること)
○ 育成就労を行わせる事業所において通常行われている業務であり、当該事業所における業務において一般的に用いられている器具、素材等を使用することを求めるものです。例えば、育成就労外国人の受入れのみのために、当該事業所において通常行われていない業務を行うことや当該事業所において一般的に用いられていない設備等を使用することは、認められません。 〈規則第13条第2項第2号ハ〉 (必須業務の時間数に関する基準)
○ 修得させる技能に係る技能検定等の試験範囲に基づき、当該技能の修得のため、必ず行わなければならない業務を「必須業務」といいます。技能修得の促進を図り、効果的な育成就労を可能とする観点から、必須業務に従事する時間が、業務時間の全体に比して1/3以上であることを求めるものです。
○ 育成就労外国人の育成には、分野別運用方針で定められる「主たる技能」の中から、修得するべき「主たる技能」を選定し、計画的に育成・評価を行っていくことが重要であり、この「主たる技能」の修得のために必須業務へ従事する時間数を定めています。そのため、必須業務として認められない業務に育成就労の期間を通じて専ら従事することは、適切に育成就労を行うものとはいえません。 主たる技能は、業務区分ごとに分野別運用方針で定められており、次の①~③の場合があります。1つの業務区分で複数の主たる技能が定められている場合、育成就労実施者は、いずれかの主たる技能を選択する必要があります。 ① 業務区分の業務全般を行うために必要な技能が「主たる技能」として1つ定められている場合 ② 業務区分の業務のうち特定の業務を行うために必要な技能が「主たる技能」として定められている場合 ③ 上記①及び②が「主たる技能」として定められている場合
〈規則第13条第2項第2号ニ〉
(安全衛生業務の時間数に関する基準)
○ 安全衛生に係る業務に従事する時間が、業務時間の全体に比して 1/10 以上であることを求めるものです。
○ 技能実習制度においては、「関連業務」や「周辺業務」といった概念が存在し、これらの業務に従事できる時間の上限がそれぞれ規定されていましたが、育成就労制度においては、これらの概念がなくなり、「必須業務」及び「安全衛生業務」以外の業務に関しては、業務区分内の業務又はこれに関連する業務であれば従事することが認められます。 〈規則第13条第2項第2号ホ〉 (申請者に雇用される通常の労働者と同等の所定労働時間であること)  
○ 「通常の労働者」とは、日本人も含む育成就労実施者の下で働くいわゆるフルタイムで雇用される一般の労働者をいい、それらの者と所定労働時間が同等であることを求めるものです。なお、本規定は育成就労外国人の所定労働時間を労働基準法の準拠を超えてまで育成就労実施者の下で働く他の労働者と同じくすることまで求めるものではなく、労働基準法の範囲内で他の労働者と最大限同等であることを求めるものです。      〈規則第13条第2項第2号ヘ〉 (その他業務の構成に関する基準) ○ 育成就労計画に記載した業務の内容や時間配分等の構成が、育成就労の目標の達成を困難にするものである場合は、この基準を満たさないこととなります。
○ 例えば、この基準を満たさないこととなる場合として、
・ 育成就労計画の内容が、計画どおりに業務に従事したとしても最終的に技能試験の合格レベルに到達しないような内容である場合
・ 必須業務及び安全衛生業務で必要とされている時間配分の基準は満たしているものの、1年目において技能試験受験が必要にもかかわらず必須業務及び安全衛生業務の基準時間達成が1年目終了直前となっているなど、それらの業務の月ごとの時間配分が、特段の理由もなく著しく不均衡となっている場合 などが挙げられます。