育成就労制度

育成就労制度

○ 育成就労計画は、
・ 法第8条第1項の申請(最初の育成就労計画の場合)
・ 法第8条の5第1項の申請(転籍の場合)
・ 法第8条の6第1項の申請(育成就労計画の認定取消しや育成就労の在留資格を有する者でなくなった後に再度の育成就労を開始する場合) によるものに分けられます。ここに記載するものは、法第8条第1項の申請(最初の育成就労計画の場合)による育成就労計画の認定基準となります。
○ この育成就労計画の認定基準としては、法第9条(育成就労計画の認定基準)及びその関係規則に、
・ 育成就労外国人に従事させる業務に要する技能の分野
・ 育成就労の目標や内容
・ 育成就労を行わせる体制や事業所の設備 に関する基準などが設けられ(通常の場合の認定基準は法第9条第1項、労働者派遣等監理型育成就労の場合の認定基準は同条第2項に規定)、これらの基準を全て満たす場合に育成就労計画が認定されます。また、育成就労実施者は、認定後も常に法令の基準を満たして育成就労を適正に行わせる必要があります。
○ 育成就労実施者には、認定された育成就労計画に従ってその終期まで育成就労を継続する責任がありますが、育成就労実施者の都合で育成就労の継続が困難になった場合には、法第51条に定められているとおり、育成就労実施者又は監理支援機関において、育成就労の継続を希望する育成就労外国人に対し円滑な転籍の支援を図ることといった育成就労の継続のための措置を講ずることなど(第5章第 16 節第1参照)が義務付けられています。
○ 育成就労制度は、我が国での3年間の就労を通じて「特定技能1号」の在留資格において求められる水準の技能を有する人材を育成するとともに、我が国の人手不足分野における人材を確保することを目的とする制度です。
○ そのため、育成就労制度による外国人の受入れは、人材の確保を図るべき特定産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を我が国における3年間の就労を通じて修得させることが相当である分野(育成就労産業分野)に限られます。
○ 育成就労産業分野は、法第7条の2第1項に基づき、主務大臣が分野所管行政機関の長並びに国家公安委員会及び外務大臣と共同して定める分野別運用方針において定めることとしています。
○ 育成就労計画には、育成就労が終了したときに到達すべき技能及び日本語の能力の水準を育成就労の目標として定めなければなりません。
○ 設定する目標は、基本的に以下のとおりです。なお、目標とする試験は、育成就労外国人を受け入れる分野及び業務区分に応じて、分野別運用方針に定められた試験・水準である必要がありますので、目標とする試験を定める際は、必ず分野別運用方針を確認してください。 〈技能に係る育成就労の目標(①から③のいずれか)〉
 ①  修得させる技能に係る3級の技能検定の合格
 ②  修得させる技能に係る3級の技能検定に相当する育成就労評価試験の合格
 ③ 修得させる技能に係る特定技能1号評価試験の合格(※) ※ 規則第 13 条は、「3級の技能検定」又は「育成就労評価試験」と規定しているところ、分野・業務区分によっては特定技能1号評価試験も当該規定にいう「育成就労評価試験」に該当し得るものです。 〈日本語能力に係る育成就労の目標〉 本邦での生活に必要な日本語能力及び従事させる業務に必要な日本語能力の試験等による方法での証明
○ 技能に係る目標とする試験については、実技試験の受験及び合格を求めておりますが、学科試験の受験は任意です(育成就労開始から1年目が終了するまでに受験することとなる技能試験は、実技試験及び学科試験の受験を求めています(育成就労開始から1年目が終了するまでに受験することとなる技能試験については第5参照))。
○ 育成就労の目標となる日本語能力である「本邦での生活に必要な日本語能力及び従事させる業務に必要な日本語能力」とは、原則として日本語教育の参照枠の A2相当水準であり、育成就労の終了までに試験の合格によってその能力を確認することとなります。また、この水準は、修得しようとする育成就労産業分野ごとに分野別運用方針において設定されるため、A2相当より高い日本語能力の水準が設定されている育成就労産業分野においては、その水準を満たす必要があります。
○ 育成就労制度は、「特定技能1号」の在留資格において求められる水準の技能を有する人材を育成するとともに、育成就労産業分野における人材を確保することを目的とする制度であり、育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能の修得が効果的に行われるよう、育成就労外国人に従事させる業務において要する技能は、分野別運用方針に規定する業務区分(※)に属する技能である必要があるほか、当該技能が同一の作業の反復のみによって修得ができる技能ではないことが求められます。 ※ 育成就労産業分野ごとに、必要とされる技能の範囲を画するものです。そのため、分野内に複数の区分を有する分野もあれば、単一区分の分野もあります。
○ 「同一の作業の反復のみによって修得することができる」技能とは、同じ作業を繰り返し行い、特段のレベルアップが期待できない作業に従事することで修得することができるものをいいます。必ずしも作業が一つであることを意味するものではなく、同種の業務に係る一連の作業を行うことを反復する場合であって、単に手足等を動かすことのみで修得することができるものも含みます。
○ 具体的にどのような業務や作業が育成就労産業分野の業務区分に属しているかについては、当該分野に係る分野別運用方針で規定されます。
○ 個別具体的に申請があった場合において、業務の性質や就労環境等に照らし、従事させる業務が外国人に育成就労として行わせることが適当でないと認められるものではないことについて、確認する規定です。
○ 育成就労外国人に従事させる業務が、育成就労産業分野に属する技能を要するものであったとしても、当該業務の性質や就労環境等に照らし、育成就労を行わせることが適当でない場合は、育成就労を行わせることは認められず、育成就労計画の認定を受けることができません。 適当とは認められない例として、
・ 外食分野における、お酌など来店客に対する接待行為に従事するものや、キャバクラ、ラウンジ、ガールズバー等の風俗営業店での就労活動
・ 宿泊分野における、ラブホテルでの就労活動
・ 建設分野における、除染作業に従事する活動 などが該当します。 〈規則第13条第2項第2号ロ〉 (事業所に備えられた技能修得に必要な素材等を用いた通常行われる業務であること)
○ 育成就労を行わせる事業所において通常行われている業務であり、当該事業所における業務において一般的に用いられている器具、素材等を使用することを求めるものです。例えば、育成就労外国人の受入れのみのために、当該事業所において通常行われていない業務を行うことや当該事業所において一般的に用いられていない設備等を使用することは、認められません。 〈規則第13条第2項第2号ハ〉 (必須業務の時間数に関する基準)
○ 修得させる技能に係る技能検定等の試験範囲に基づき、当該技能の修得のため、必ず行わなければならない業務を「必須業務」といいます。技能修得の促進を図り、効果的な育成就労を可能とする観点から、必須業務に従事する時間が、業務時間の全体に比して1/3以上であることを求めるものです。
○ 育成就労外国人の育成には、分野別運用方針で定められる「主たる技能」の中から、修得するべき「主たる技能」を選定し、計画的に育成・評価を行っていくことが重要であり、この「主たる技能」の修得のために必須業務へ従事する時間数を定めています。そのため、必須業務として認められない業務に育成就労の期間を通じて専ら従事することは、適切に育成就労を行うものとはいえません。 主たる技能は、業務区分ごとに分野別運用方針で定められており、次の①~③の場合があります。1つの業務区分で複数の主たる技能が定められている場合、育成就労実施者は、いずれかの主たる技能を選択する必要があります。 ① 業務区分の業務全般を行うために必要な技能が「主たる技能」として1つ定められている場合 ② 業務区分の業務のうち特定の業務を行うために必要な技能が「主たる技能」として定められている場合 ③ 上記①及び②が「主たる技能」として定められている場合
〈規則第13条第2項第2号ニ〉
(安全衛生業務の時間数に関する基準)
○ 安全衛生に係る業務に従事する時間が、業務時間の全体に比して 1/10 以上であることを求めるものです。
○ 技能実習制度においては、「関連業務」や「周辺業務」といった概念が存在し、これらの業務に従事できる時間の上限がそれぞれ規定されていましたが、育成就労制度においては、これらの概念がなくなり、「必須業務」及び「安全衛生業務」以外の業務に関しては、業務区分内の業務又はこれに関連する業務であれば従事することが認められます。 〈規則第13条第2項第2号ホ〉 (申請者に雇用される通常の労働者と同等の所定労働時間であること)  
○ 「通常の労働者」とは、日本人も含む育成就労実施者の下で働くいわゆるフルタイムで雇用される一般の労働者をいい、それらの者と所定労働時間が同等であることを求めるものです。なお、本規定は育成就労外国人の所定労働時間を労働基準法の準拠を超えてまで育成就労実施者の下で働く他の労働者と同じくすることまで求めるものではなく、労働基準法の範囲内で他の労働者と最大限同等であることを求めるものです。      〈規則第13条第2項第2号ヘ〉 (その他業務の構成に関する基準) ○ 育成就労計画に記載した業務の内容や時間配分等の構成が、育成就労の目標の達成を困難にするものである場合は、この基準を満たさないこととなります。
○ 例えば、この基準を満たさないこととなる場合として、
・ 育成就労計画の内容が、計画どおりに業務に従事したとしても最終的に技能試験の合格レベルに到達しないような内容である場合
・ 必須業務及び安全衛生業務で必要とされている時間配分の基準は満たしているものの、1年目において技能試験受験が必要にもかかわらず必須業務及び安全衛生業務の基準時間達成が1年目終了直前となっているなど、それらの業務の月ごとの時間配分が、特段の理由もなく著しく不均衡となっている場合 などが挙げられます。